ロータリーSW は入出力の切り替えによく使われます。
切り替えるたびに、ボスッでは、何ともはや!です。
市販品でも 10 年程度で、ほぼ例外なく出てきます。
理由は、無論、その構造にあります。
![](./rsw1-02.jpg)
もっとも一般的な市販品の構造は、
回転端子が数 mm 長さ、幅 2〜3mm の
バネ構造になった端子の間を摺動する構造です。
極めて短い長さ、幅で受ける曲げ応力のため、
如何にバネ材(本来弾性域で使用)とはいえ、
短期間に塑性変形をおこし、
必要とする接触圧力を維持できなくなります。
こうなると、幾ら接点復活剤をまき散らしても、
一瞬回復するだけです。構造的欠陥と言うより、
この Type は消耗品と考えるべきです。
10 年以内にさっさと
取り替えなければなりません。
なかには,一般的構造であるにもかかわらず,数千円もする Type もあります.
時々、値段が高いために、良い構造と勘違いをしている方がいますが、
基板がテフロンやセラミック製といっても、高電圧(500v以上)を取り扱う場合を除けば、
寿命や、ノイズ発生に関しては、安い一般品と全く同じです。
テフロンやセラミックの利点は基板の絶縁抵抗が高いだけです.
我々が使うときの印加電圧は,せいぜい 3〜400V ですから,この Type を使うならば,
安いベーク基板で十分です.
ガリガリッ、ボスッと言ったノイズのイヤな方は、
基本的に,この様な構造は避けなければなりません。・・・、ただし安価です。
測定器用と称する Type の中には(すべてではありませんよ!)
長くて幅広のバネ材を用いた物があります。(富士通製が有名です)
この構造の物は、先の一般用と比較すると、かなり長い寿命を持っています。
ノイズの発生が生じるまでの期間は、15〜20 年でしょう。
![](./rsw2-02.jpg)
バネ構造はよいのですが、接触部分が線状のため、
線状摩耗が生じます。
回転摺動部端子は交換が出来ますので、
問題はありませんが、(配線からバラス必要あり)
固定端子の方に溝が出来てきます。
この固定端子は、一般品と比較すると、
かなり大きく強固に造られていますが、
それでも溝によるノイズが発生してきます。
値段は一般用の数倍します。
で、ノイズに悩まされないロータリーSW はあるのか?
![](./rsw3-01.jpg)
あります。放送局用、
所謂、BTS 規格に適合する Type です。
その構造は,ATT と同じで,直径数 mm
の銀板を貼り付けた端子上を,
長さ 10 数 mm ,幅 5mm の 2 枚のバネ材の間に,
接点用の銀板を挟んだ
接触端子が,面接触しながら動きます.
端子構造は、ATT と同じです。
放送局で,しょっちゅう切り替えてもノイズを発生しない優れものです.
1 段は 1 回路 12 接点か 2 回路 6 接点です.
接点数は必要に応じて任意に設定することが出来ます.
写真は 2 段 2 回路 12 接点です.
形状は写真のような丸型(比較的小さい)と,角形(50mm □)が有ります.
問題は価格です.新品は 1 万数千円以上します.
ただし,放送局(民放は使ってない場合が多々あります)の放出品は,
1000円〜3000円程度で入手可能です.
我々アマチュアが使うとすると,放送局放出品でも十分一生持つと思います.
後は,形状の大きささえ許容できればですが.
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