PX4(新型管) Cossor 4XP Fotos E406N Pedelsen U4-H
40 年ほど前に我が国で紹介された欧州管の代表の一つがPX4です.
開発年代は米球の 245 と同時代ですが,球の規格で見ると,
後に開発された 2A3 と等しい性能があり,欧州管球製造技術の高さを示す例として,
よく引き合いに出されてきました.
当時から,技術的な欧州優位性よりも,出て来る音が米管とは一線を画するところがあり,
所謂欧州管の音と称される,きめの細かい音で高い評価を得ていました.
この欧州管ですが,昔は規格表でしか見なかった球が,次々と輸入されてきました.
PX4 一族と称される球には,PX4, XP4, PP3/250, LP4, ACO44 などがあり,
いずれも,名出力管の名声を得ています.
欧州管にはよく見られる補助グリッドを管内で接合した三結球は,PX4 には見られません.
当初販売価格は \3710 で,入手は一部の球を除いて比較的容易でした.
当時,入手困難な球は,現在も同じですが,Ediswan Mazda の PP3/250 で,
現在でもこの球は入手が極めて困難です.
しかし,相当な人気球のため,現在ではどの銘柄も高価で入手難です.
ここには,当研究所所有の球 2 種と,本来は,一回り小型の RE604 系の球ですが,
PX4 を軽く使っている場合は,差し替えが出来る球 2 種を載せています.
写真は左から, PX4(GEC),4XP(Cossor),E406N(Fotos),U4H(MP Pedelsen)です.
プレートの大きさを比べると,PX4 と 4XP はほぼ同じで,
E406N と U4H はそれらより一回り小さい事が解ります.
PX4 は説明が不要でしょうし,Cossor 4XP も同等管です.
この,Cossor 4XP は僅かですが, Osrum PX4 より内部抵抗が高く,
出て来る音は少々ですが変わってきます.
と言っても,基本的には,PX4系の音です.この球で聞いていると,
もう他には Amp は要らないと思えてきます.
E406N は一時かなり多く出回っていましたので,所有している方も多いと思います.
Eb 250v で使うと,RE604 同等とされていますが,プレート耐圧は 500v と高く,
且つ,内部抵抗も高くて,本来は高圧で使うように開発されたようです.
高圧小電流で使えば球の寿命は延びるでしょうが,音がどうなるかが問題です.
Eb を 250v の場合は,音はこの球も,基本的には PX4 とよく似た音です.
pedelsen の U4H は E406 系よりもさらに内部抵抗が高く, E408 系の球です.
そのまま PX4 の代わりに差し替えると,電流が 15mA ほどしか流れません.
出て来る音も,電流に比例して情けない音です.
こんなものかなと思ったのですが,電源トランスのタップを,250v から 300v へ
変えますと,Eb が 220v → 340v へ上がり,電流も 25mA 強になります.
音はがらりと変わり,情けない音から PX4 族の音になります.
これらの ,少なくとも私にとっては,PX4 族はいずれも非常に高価です.
しかし,U4H だけはかなり安価に入手が出来ると思います.
実際の購入価格は,\4000/本程度ですから,これならば手が届きます.
いずれも出力が 2W 級ですので,出力は当研究所の SP では十分です.
音も申し分ありません.
ただ,U4H だけは別にアンプを組む必要がありそうです.
初めから U4H 専用 Amp を組むとすれば,昔の電源トランス,それらは概ね,
350v〜400v の B 電源タップを持っていますので,他の球では高すぎるきらいがありますが,
むしろ,それらが有効に利用できます.しかも,中古で安価です.
球の組み合わせは,
MH4(MH41) - PX4 族 - UU5(MU14)
が最も無難な所でしょう.
現用 PX4 Amp を早急に改造する必要がありそうです.
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