真空管雑感

EL3N



戦前のPHILIPSを代表する五極管の一種です.

特性的には AL4,EL3(D),EL11,EL33,PEN45 と同じか,ほぼ同じです.

ヒーターは6.3v 0.9Aの傍熱管であり,米国管の6V6 相当とされています.

が,実際には 6V6 とはかなり異なる規格です.
6V6 と比較してGm が高いと言うだけでなく,特性曲線を見比べると
如何に欧州管が優れているかと言うことを実感できる見本のような球です.

浅野勇氏が古典三極管にあい通じる物があると評されたが,この球の
三結データを見るとそれがはっきりと解ると思います.
とにかく一度見てみてください!



ソケットはサイドコンタクトであり,我が国ではあまり一般的とは
言い難いのが欠点?で,昔は入手が困難,自作はほぼ不可能でした.
最近は,ソケットの入手に関しては比較的容易(\300)ですが,
中国製で,購入してそのまま使用には大きな問題があります.

球の装着は簡単ですが,抜くことは極めて困難ですのでご注意ください.
また,その取り付け穴はφ34となり,
一般的なアンプ製作用のシャーシパンチでは行えません.

つまり,普通は「ヤスリ」のおでましとなり,
手にまめができてしまう欠点があります.
それでも使う価値は十分ある特性と思います.

そして,安い!

6V6 や 42,6F6 など,「比べる事もおこがましい」ような球と比較して,性能・音質から
信じられないくらい安い価格で入手できます.ただし「在庫があれば」,の話です.

粗製乱造の米国管と違い,生産数は少なく,さらに,
この手の欧州管は第二次世界大戦の関係で,残存数に限りがあり,
今後ますます入手は困難になると思います.

この球を使うには,AL4と同じ組み合わせになろうかと思います.
是非注目をすべき球かと思います.




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