過去には,いわゆるラジオ球として,あまり芳しくない 評価をされていました.
昔々ですが,今を去ること60年前には,我が実家にも電蓄の中に
UZ-42が鎮座していました.
当時電蓄の後ろを覗いてみたとき,結構大きな球が光っていて,
訳も解らず,凄いなぁと思ったことを記憶しています.
自作第3作に用いた球ですが,五極管のままでは,
かなりNFを掛けなければ実用になりません.
しかし,ひとたび三結とするならば,なかなかどうして立派なものとなります.
第3作目の三結シングルは,写真を撮る事も思いつかず,
その後,トランス類は6AC5GTシングルへ転用したため,
何も残っていませんが,良い音だったことは脳裏の隅に記憶しています.
自作したとの思い入れもあり,当時の最高級市販トランジスタアンプよりも良く,
さらに純三極管のため?,良いと信じていた 6GA4pp よりも心地良い音に感じました.
電気の先生からは駄球ですよと言われましたが,今となっては結構な球です.
最も,そのおかげで手持ちの UZ-42 はほとんどがもらい物です.
この42族の類似管はかなり多いようです.
メーカも多く,すべての42族,特に オクタルベースを含めると,
収集することは不可能なように感じます.
この球をシングルアンプに用いると,同じ42や6F6でも,
メーカごとに違って聞こえる,ような気がします.
UZ-42 一族の 6F6 と言えば,オルソンアンプと言われるくらい有名な
アンプの出力管として使われました.
オリジナル回路からイコライザ部だけを除いたアンプを試聴したところ,
さすがに噂に違わぬ,との印象を深めました.
ラジオ球の駄球などとはとても言えません.
是非とも造っておきたいアンプです,オリジナル回路によるオルソンアンプは.
ここに示したのは,CZ504Vで,NECや日立などで作られた通信管であり,
UZ-42,6F6 の一族とされています.
我々がオーディオアンプに使う限りは同特性です.
しかし,見ると一目瞭然ですが,プレートの大きさは,
42の約1.5倍はあります.
ヒーター電力も,42: 6.3v 0.7A =4.41W に対して,5.5Wも有ります.
ヒーター電源を入れてからの立ち上がりに,
WE310 や WE350B ほどに時間は掛かりませんが,それでもかなりの時間が掛かります.
ここらに通信管,民生用の5倍となる長寿命の秘訣があるのかもしれません.,
このCZ504には,D と V があり,それぞれヒータ電圧が,Dが5.5vでVが6.3vです.
加熱電力はどちらも同じです.
ちなみに,CZ504よりも,この球と同時に用いられたCZ501の方が有名かもしれません.
こちらは,WE310の同等管となっており,現在,所長も2A3sで用いています.
CZ504 は是非ともアンプを組んで音出しをしたいものです.
最近になって,たまにネットオークションで新品が出てきました.
しかし,多くは中古管,通信機器からの抜き球ですが,
元々長寿命管ですので,中古でもかなりの期間は使用できると思います.
価格も安く,狙い球かもしれません.
最近はロシア製の6F6GやGTが安く出回っていますが,音はそれほど
RCAと変わらないようです.
ロシア製も結構いけますぞ!(顧問F教授の言)