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球選び


アンプを製作するに当たり,真空管マニアとしては,まず,出力管を
選定するのではないでしょうか.

どの球を使えば,どのような音が出るのだろうか?  は構想を練る間,実に楽しい時間です.
所長の場合,何はともあれ,出力管が決まらなければ始まりません.

出力管が決まれば,その女房役である,(と,勝手に思いこんでいます)整流管を,
探し始めます.

ただ,直流を供給するだけならば,値段・効率・寿命,どれをとっても半導体です.
しかし,年寄りには,出力管の隣に整流管がないと,どうにも寂しい!
やはり,ここはぴったりと寄り添う「もの」がほしいところです.

交流から直流が得られならば,何でもイイ!というわけにはいきません.
となると,見合いの整流管を探さなければなりません.

実は,これが結構大変な作業になります.
以外と整流管は入手難です.ま,なくても実用上は「半導体で」何とかなりますから.
販売店も,整流管では価格がしれていますので,あまり熱心に取り寄せてくれません.

でも,
昔から言うじゃないですか,
2A3には5Z3, 45には80, 50には81, WE300BにはWE274B
やはり,眺めていても,何かしっくりします.

せめて米国球には米国球を!,欧州管には欧州管を!

米国球では,
ST-Type 出力管には,5Z3,80,5V4G, 83V, 5R4G, 5X3, 5X4 など,
GT管には,5U4GT,5AR4,5Y3GTを,
メタル管には,5T4,5Z4 などが合うでしょう.

欧州管は,種類が多すぎて収拾がつきませんが,ここはソケットで分けるしかありません.

我が国では最も古くから輸入されていた,B4 あるいは UF と称する PX4 などには,
1805 などが似合いですし,新しいドーム管には UU5 が形状からもドンピシャです.
その他では,VU39 や FW4/500 などもイイ線をいきます.

サイドコンタクト管には,やはり同じ P or P8 と称するサイドコンタクト管です.
AD1,EL5,EL6 には AZ4 で,AL4,EL3 には AZ1,EZ4 となります.

EL156 や EL11,EL12 には EZ150,EZ12,EYY13 などでなければ釣り合いません.

独ポストチューブ,Ed,Da,Ca,E2d には,同じ系列の Z2b や Z2c などがはまります.

これらの整流管は比較的入手も容易です.かな??

ところが,これがMT管になると,6X4, 6CA4 とその類似管しかありません.
たとえば,5687 に対応する整流管となると,6X4 では出力管より背が高く,
6CA4 の系列では,さらに,出力管より一回り大きくなります.
まさに,ノミの夫婦です.
      人の場合はこれはこれで良い物もありますが・・・・・.
しかし,やっぱり見た目すっきり!となると,同じ大きさに揃えたくなります.
そうすると,26Z5W しかなく,入手はきわめて困難かつ高価です.(5687pp試作機参照)

かなりの期間,探し回らなければ,入手は出来ないと思います.

整流管など,しょうもないことに拘っているだけさ,とおっしゃる方もいるでしょう.
しかし,これこそが.趣味の醍醐味ではないでしょうか.


ま,ここまで揃えると,あとは前段です.
同じ系統で揃えると良いのですが,さすがにそこまでは手が回らない場合が多くなります.
できるだけ,こだわるのが精一杯でしょう.

いずれも,年寄りの悪あがきのようなものですけど,しかし,これが結構楽しいものです.
目的に合致する球を Data Book から探し,現物を探し,値段交渉を行って入手したときは,
半分アンプを完成した気分になります.

反省,この段階で,どうも留まっている場合が多くなってきました.





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