モニタースピーカと称するスピーカが沢山巷に溢れています.
ところで,モニタースピーカとは何者でしょうか?
40年くらい前にはアルテックやJBLも使われていました.
我が国では,三菱電機がNHKと共同開発した「2S305」が有名です.
この時代のモニタースピーカは人の音声や楽器の音を本物らしく聞かせる
ことに重点を置いていたように思います.
三菱のP610 で再生される人の声や,2S305 での楽器の音は実にリヤルです.
国内外の有名スピーカでは聞き取れないアンプの欠点も,P610 や 2S305 で
聴くと誰でも(多分)分かります.
こういったスピーカこそがモニタースピーカではないでしょうか.
このため,モニタースピーカは通常音楽を聴くためには不向きとも言われて
いました.いわば厳しすぎるのでしょう.
そのため,民生用では多少色づけされたタンノイ,グッドマン,ローサー,
ヴァイタボックスなどのスピーカが好まれたと思われます.
しかるに,最近のモニターと称せられる
スピーカは,聴けば聴くほど疑問が出てきます.
楽器の音が聞こえない,演奏が見えない,音が耳障りで「曲」が解らない,
何を「モニター」しているのでしょうか?
ある時,懐かしい歌の復刻版CDを買ってきて,main system で聴くと,中低音
(低音ではありません)がボコボコいってまともに聴けない物がありました.
このCDをサラウンド用の8cmや10cmのスピーカで聴くと,摩訶不思議,そこそこ
に良い音として聞こえます.
そこで,ハタと気が付きました.
どうもこれら最近のモニターはラジカセを対象にしているのではないかと思われ
てきました.
これらのモニターを採用している放送局,スタジオは,本来?のモニターす
べき楽器や音声が対象ではなく,特定の,いわば,もっとも使用数が多いラジカセや
ミニコン機器でいかに聞こえるかを確認しているように思われます.
それはそれで音楽を送り出す場合は価値あることと思いますが,どうせまと
もに再生できない機器のためにモニターすることもないように思います.
100Hz以下を切って,いかに低音らしく聴かせるかは技術ですが,よく聴けば,
やはり出てないのは解ります.
こんなモニター?スピーカで,と言っても途轍もなく高いのですが,自宅で
音楽を聴こうという方が間違っているように思えます.
このような音が好みならば,数千円のスピーカで聴いた方が利口です.
有りの儘に録音した音楽,それはほとんど無いし,録音した時点で生とは異な
りますが,それに近い音質を求める場合はそれなりのスピーカを使わなければ
いけません.
その様な,新しい,良いスピーカが安く出ることを期待します.
それまでは,やはり,好みに合わせて,タンノイ,グッドマン,ローサー,
ヴァイタボックス,アルテック,JBLやクオードなどのスピーカを使うほか
なさそうです.
国産にも,三菱,松下,パイオニア,山水,フォステクスなどがあります.
家庭で小編成や人の音声の曲を聴く場合は,我が顧問のM氏推薦の三菱P610Aは
外観(相当に見窄らしい)からは想像できないほどの音が出ます.
これで十分です.ただし,高音過多のきらびやかな(うるさい)音は出ません.
あくまでも,バランスの良い音です!!
問題は販売が終了しているため中古しかなく,マニヤが手放さないために,
入手が困難なことと,エッジの劣化が激しく補修の必要な場合が多いことです.
しかし,価格は高くはありません.
かくいう,当研究所でも現在10個ありますが,放出予定はありません.
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