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電源トランス


 市販されている電源トランスについて調べてみますと,
B 電源としては,200Vx2 で 100mA 程度から,500Vx2 で 250mA 以上まであり,
バラエティーに富んでいて,ほとんどの球,米国系でも欧州系でも十分対応が取れています.

ところが,ヒーター回路となると,ほとんどのトランスが米国系です.
6.3V 基準で,2.5V, 5V (WE 対応でしょうか), 7.5V までの対応です.
電流値は1.2A 〜 3A でほぼ統一されています.
整流管用は,前段用を兼ねているのか,6.3V(5V) 2A〜3A となっています.

一昔前ならば,巷に溢れている球は米国系のみでしたから,これで十分でしょう.
所長も不便を感じたことはありませんでした,ただし, 20 年前までです.

40 年前に入手できる欧州管は,PX4, PX25, DA30, AD1 とその類似管位で,
いずれも大型管ですので,タムラかタンゴの大型トランスを使う場合が多かったようです.
これら大型欧州管の需要に応じて,4v のヒータ回路が設定されていました.
球が球だけに,高価な大型電源トランスもやむを得ず,と諦めていました.
PX25 には Mono 構成(しかできませんでした)で電源トランスを確保しました.

ところが,此処 20 年くらい前から,それまで幻だった,欧州管が輸入され始めました.
音を出してみると,米管とは一線を画する音に驚かれたマニアも多かったはずです.

多種多様の欧州管,出力的に見ると,0.1W 〜 数W とまるで見本市のごとくです.
昔は見向きもされなかった,小出力管も多数あり,これがまた結構いい音なんです.

我が国の生活水準も結構上がり,多少大きな SP 箱(高能率)を設置できるようになってきました.
つまり,小出力高音質 Amp の出番ができたのと時期的にマッチしてきました.

そこで,欧州管の小出力 Amp を作ろうと思い立つと,
特に,直熱管の場合ですが,馬鹿でかい,つまりバカ高い電源トランスでなければ,
独立した 4V,あるいは 3.8V 回路が無く,抵抗によって電圧調整をしなければなりません.
小型トランスでは,ヒーター回路そのものも足りません.(泣)
さらに,直熱管では,抵抗で電圧を下げようとすると,ヒーター両側に同じ抵抗を
分配配置しないとハム対策が出来ません.       やっかいです.
さらに,欧州管系の整流管も4vですから,5v一本槍では使いづらいですよね.

これだけ,巷に欧州管が出回っているのですから,どこか1社くらい欧州管用の
安いトランスを販売できないものでしょうか.
安い特注ではタップ数などの制約が多く,さらに,安いと言っても1万円をかなり超えてしまいます.
同じ出力電力ならば,コアボリュームは一緒でしょうから,カタログ製品ならば,
多分,\7000 〜\8000 で出来そうですけど.

280V(250V)x2 120mA, 4V 2Ax2, 6.3V(4V) 2A, 5V(4V) 2A なら,ほぼすべての欧州管,
直熱出力管を含めて,汎用として使えそうです.

さらに,4V1A 1回路を加えて貰えるならば,PX4 クラスの直熱管電圧増幅の
シングル・ステレオが組めます.
B電源を350V(250V)x2 120mA とすれば,PX25 やAD1 系でも十分作れそうです.

特注では,\15000/@ 程度のようです.作って貰おうと見積もりを取ってみました.

しかし,手持ちのトランスで 2-ch のアンプを組もうとすると,複数の電源トランスが必要です.
こんな高価なトランスを複数・・・と思うとなかなか手が出ません.

どこかのShopで安く売って貰えないでしょうかねぇ.

安く売るためには,生産数→販売数が重要になるでしょうねぇ.
4v の欧州管は国内販売数だけでも数千本,多分それ以上はあると思うんです.

もしも,1社だけの販売ならば,かなりの数が売れると思うんですけど・・・.
それほど多くのトランス販売店が手を出すとは思えません.

なんだかんだと言って,単なるものぐさのためではあります.
6.3Vから抵抗で電圧を落とせば,どうってこと無いことですが,
ヒーター電流の違う球を差し替えたいときには不便ですよねぇ.

本音は自分が欲しいからですが,こんな欧州管用のトランスを安く売ってくれるなら,
この私のサイトでも大いに宣伝させて頂くんですけど.
これはほとんど宣伝効果がないことも事実です.





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