言いたい放題

周波数特性と耳



Amp の結線が終わると,はやる心を抑えて,まずは測定をすべし.
これは亡き武末翁のありがたきご託宣です.
しかし,不肖・不精,おまけにせっかちな所長はまず音を出して聞いてしまいます.

その後,やっと,自分の安心のためだけに測定を行います.
だいたいの測定結果は,一般的な感覚から考えるとかなり良くないものです.
歪率は1%もあるし,最大出力も多くて1W,おまけに周波数特性は,
60 Hz 〜 20 kHz (-1dB/0.1W)が普通です.

6AC5 やその類似管に至っては 無帰還では 200Hz〜40kHz (-1dB)で,低音は情けない限りです.
これらに限らず,内部抵抗の大きな,目安は 10kΩ を超える球では,低音はガタガタです.
高内部抵抗の出力管で,低域特性をそこそこにしたければ,
出力トランスの電流を流した状況下で,1次インダクタンスは 100ヘンリーくらい必要で,
こんなシングルトランスは市販にはありません.
特注すれば価格と大きさは想像を絶することになってしまいます.

おまけに,安いトランスは,電流を流してないときの値しか公表しない場合が多いようです.
直流を付加すれば,インダクタンスは交流のみの時の何分の一かに下がってしまいます.

これで「春の祭典」や「ツアトゥストラはかく語りき」なんて低音部が聞こえるの?

これが聞こえるんです!

ただし条件がありますよ.
取聴位置で最大出力音圧が 90dB 近く有ることも条件の一つのような気がします.

所長の空耳かなと思うときもないわけではありませんが,所長以外でもやはり聞こえるそうです.
低内部抵抗の,所謂オーディオ出力管使用アンプでも,40Hz になると -3dB 以上,
おまけに SP に至っては 15インチウーファですら,40Hz ともなれば -6dBなんてザラです.
単純に合わせると -10dB 近くになってしまいますが,しっかりとあのオルガンが聞こえます.

抵抗負荷で計った結果と2重インダクタンス負荷,スピーカのインピーダンス特性など,
簡単な測定値では解らないかも知れません.,
人間の耳は選択機能があり,勝手に耳から脳までのどこかで増幅をしているかも知れません.
  とにかくまともに低音が聞こえます.

ところが,このソースを同じアンプで12〜3cm 程度の小口径 SP や,
最低共振周波数が 80 Hz などという 409-8E のような
元々低音のでない SP では,当たり前ですけど聞こえません.
コーン紙はユラユラと振れているようには見えますがゴソゴソといっているだけです.

また, 6AC5 無帰還シングルなどの球では,15インチウーファでも聞こえません.

ともかく,多極管・送信管などの高内部抵抗出力管を用いた無帰還アンプや
最低共振周波数の高い SP でなければ,まぁ,聞こえるでしょう.

何故聞こえるのかは別にして,趣味の世界ですから聞こえたところで納得しましょう.





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