1960年代までは,音源は概ね Mono であったと思います.
そう,いわゆる電蓄です.
1950〜60年当時,我が家にあったのは,ボリュームエクスパンダ付きで,
結構いい音だったような記憶があります.
この時代は,主として映画音楽,タンゴなどを聴いていました.
学生時代には,すべて 2-channel Stereo 音源となっていました.
70年代以前には,先輩諸氏により Stereo 要・不要論が戦われていました.
結局,音源の広がりを表現するためには,Stereo は断然有利でした.
Mono 派の主張は,丹誠込めた自分の装置を2-channel 化するには
資金も労力も続かないし,部屋もないという意見がかなりあったように思います.
この中で,経済的な観点からは,当時としてはやむを得ないものでしょう.
2-channel 初期のマニアの中には 左右の装置が異なるものも結構見受けられました.
追加の channel は,簡易版(廉価版)にならざるを得なかったようです.
これでは全体のクオリティを簡易版まで下げてしまいますので,
あまり 2-channel Stereo にする意味がありません.
さらに,その後一時,4-channel まで現れましたが,さすがに,これは
副(後方)システムのいい加減さにより普及しませんでした.
当然と言えば当然です.
現在の 2-channel Stereo の質を低下させずに多チャンネル化をするのは,
いかに金満日本といえども,容易なことではありません.
しかし,今日では,もはや 2-channel Stereo の優位性は動かぬように思われます.
ところが,最近になり,顧問のM 取締役から意外なことを聞きました.
小さな部屋で聞くのに,2-channel Stereo が本当に必要か?
6〜8畳程度の部屋では,部屋幅も小さく,音源を広げる意味もさほど無いのではないか,
さらに,我々年寄りに馴染みのある演奏は,Mono の録音が結構あります.
フルトベングラーやトスカニーニ,はたまたチボーやカザルスなどは2-channel 録音など有りません.
一度考え直すべきではないか・・・
ヤヤ,これまた,「悪魔のささやき」かな?
しかし,毎度のことながら,この顧問の意見には,かなり説得性があります.
当研究所の試聴室,短辺は3.6m,長辺7.2m 約16畳ですが,
確かにこの大きさで,やっと何とかオーケストラの雰囲気が分かる程度です.
第2試聴室は6畳ですから,SP のすぐそば以外では,左右の音源分離はいまいち・・・・・,
2-channel Stereo の存在意義は定かではありません.
ひょっとすると Mono でも良いかも.と思ってしまいました.
Mono ならば,アンプ・SP を含め,経費はかなり安くなります.
さらに,
1個しかなく,とっくに製造中止になってしまったOPTなども,2個目が入手できず,
どうしようかと悩んで??いましたが,Mono ならば生きてきます.
一つ,Mono アンプと専用ホーンシステムを造ってみましょうか.
うーーーん,やっぱり貧乏人根性が抜けませんね.
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