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オーディオ教について


  その昔はHi-Fi教と言われてきたが,最近はこう呼ばれている?ようである.

  Hi-Fi教の時代はおおらかで,現在の金満日本とは縁がなく清らかであった.この時
代の教祖は,迷える子羊を導くありがたい存在であった.

  ところが,現在の教祖は,怪しげなご託宣を並べ,一攫千金をもくろむ輩が
増えてきた.

  そのため,経歴的に見ると,「技術者とは言い難いおっさん」にもかかわらず
,非技術的な技術雑誌(すべてとは言わないが・・)に,怪しげな製作例と,
どこをどう計測すればそんなおかしなデータが出るの?と言った測定結果を書き,
純真で疑うことを知らない,愛すべきオーディオマニアを騙している.

  ここに邪悪なオーディオ教の成立を見ることができる.

  この腹立たしい教祖達は,以前,1970年代に始まったオーディオブーム後期に出現し,
多くの人をオーディオから離散させ,第1次オーディオブームを終わらせると共に,オー
ディオ産業を消滅させてしまった.

  そりゃそうでしょう!音質に役に立たないものを,高額で売りつけられていたのでは,
まともな人はやっておれません.

  最近は,さらに輪を掛けておかしくなっているように思われる.

  昔は技術系として知られていた雑誌も,最近はそのプライドをかなぐり捨て,売らんか
なの商売根性丸出しとなり,首を100回ひねっても納得いかないような戯言を臆面もな
く載せている.

  ケーブルやコンセントを変えて音が変わるはずもない.

  真空管のように,明らかに特性が異なる,たとえ同一品名であってもメーカーにより
特性が異なる,このような場合に音が変わることは考えられる.また,整流管を変えれ
ば,電源インピーダンスが変わり,これも音が変わるかもしれない.

  しかし,もう一度繰り返すが,ケーブルやコンセントは変えても音は変わらない.その
インピーダンス変化は極めて少ないことを肝に銘じるべきである.

  ビンテージ物として,これらのゴミ・パーツを推奨しているのは,「高価??な」
部品を売りつけ,せっせと儲けたいだけであろう.

  ヴィンテージは真空管のみにしよう!

これは,同一の代替品がないのでやむを得ない.後せいぜいなところが,あまり古くな
いトランスである.これら以外は,新品を使うべきである.安くても結構良い物はある.

  ところで,昔の部品は当然劣化している.

  特に,化学製品である.ケミコン,ヤニ入り半田被服導線などは
特に経年変化がひどいことに留意しなければならない.このようなものを使うと,トラブ
ルを引き起こすのがせいぜいで,何も良いことはない.

   そうだ!無いと断言できる!!!

  最近のこれら製品は,科学と技術の進歩により,昔の製品とは比べようがないほど安
定で特性も良い.昔の粗悪な(当時はこれが通常であった)ヤニは,腐食と接触不良を
引き起こす恐れがある.よい子のオーディオマニアは決して近づいてはならない!

  かく言う所長も,実は中古部品を結構使っている.無論,資金的に余裕が有れば,迷
わず新品の部品を使いたい.しかし,諸般の事情のため,やむを得ず使っているので
あり,部品の劣化は十分注意しながらである.実際,ケミコンや抵抗の劣化による障害
のため,7〜80年も生きながらえた貴重な球を,一瞬のうちに断線させてしまった経験
がある.10年以上を経過したケミコンや抵抗,とりわけ可変抵抗は危ないと思って慎重
に対応する必要がある.

  武末数馬氏は,「最近の執筆者は勉強が足らん!」と言っていたと聞くが,
これは武末氏の間違いである.

  勉強が足りないのではなく,元々勉強をしていないのである.

  よく知られている回路を寄せ集め,ほんの少し回路定数を改造しただけか,使用球を
変えただけで,さも自分が独自に開発しかのような言い方をしている輩もいる.せめて
,オリジナリティがいかなるものかくらいは勉強してもらいたいものである.

  ま,勉強してない連中に勉強を説いても無駄かな.

  しかし,寄せ集めの回路が悪いと言っているのではない.このような記事も大いに役
立つし,また必要である.実際の製作には大いに役立つ場合も多い.

  そこで,我ら純真なるオーディオマニアは,このような邪教に惑わされず,オーディオ
趣味を楽しもう.

  常識は常識,オーディオは「一応,技術」であり,これを無視してはいけない!





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