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オークションで解らないこと その2 


真空管アンプ部品の入手や売却に
オークションは,よく利用をさせて貰っています.

従って,結構頻繁に見ていますが,どうにも理解が出来ないことがあります.
前報にて書いたこともありますが,いっこうに変わりがないように思えます.
私の理解出来ない,ある意味不思議でしょうがないことについて,
ここにその一部を書きだしてみました.



1. 価格

ビンテージ品で適正価格が不明か定かでない場合には,場合によっては高額になる,
これはオークションですから当然だと思いますし,まさにそれこそがオークション.

ですが,中には現行品であり,従って正規に購入ができるし,
大部分は通販にて購入も可能,そのような品物ならば,普通は信頼性や保証の面からも,
正規購入が当たり前だと思うのですが,もちろんオークションにも出品があります.


購入はしてみたものの,使う計画が変更になる,不要となる場合も結構ありますので,
どなたかに活用をしていただければ,無駄にならずにすみます.


現行品は,正規販売で購入ならば,定価も明確で,新品保証付き,不良時の交換も当然あるはず,
ところが,何故か,その定価よりも高額で落札?,それなら正規のルートで買えば良いのに,
そう考えるのがおかしいのでしょうか.
新品未使用,そうであっても,一応購入後ですから,新古品で,新品ではありません.

常識的には,新古品は多少なりとも新品より安いと思うのですが如何でしょうか.
そう期待してオークションを見るのが普通だと思っていました.

この定価よりも高額で購入を落札者はどう考えているのでしょうか?
前所有者,高名な方とすれば,その方が持っていたことに何らかの価値があるのでしょうか.


最も,定価と言っても,真空管の場合は販売店によって,
同じメーカーで同一クオリティの製品で,倍くらい,時にはそれ以上の価格差があることも事実です.
最もらしく,選別球と言っていますが,通則用や,測定器などに使う工業用などではなく,
ましてや,高信頼管などでもありません,全くの市販のラジオ用球(HiFi用)です.

それでも,プッシュプル(PP)の出力管ならば,その選別も今となってはある程度意味がありますが,
ごく普通の増幅段(PPではない)で使えば,ほとんどノイズ以外には意味がないことぐらいは解るはずです.

そりゃ,いくらラジオ用でも,ノイズがあれば,正規の品物ならば普通は交換してくれるはずです
だが,オークションではほとんどが NC・NR ですからそうもいきません.


また,初期性能は確かに選別出来ますが,使って消耗すれば当然,性能差が出てきますので,
そこでは再調整が必要になって来るような差が出てきてしまいます.
従って,初期選別は,初期だけの値であり,使用期間すべてで保証など出来るはずがありません.
こればかりは画一的に消耗はしてくれませんので,如何ともしがたいことです.

話は横道にそれますが,その消耗変化の影響を出来るだけ避けたい「ものぐさ」は,
固定バイアスを避け,自己バイアルにすることになります.


本題に戻りますが,何故,ぼったくりの価格を付けられた,
選別球と称する現行真空管を買うのか,これもまた,理解ができません.

まして,新品の現行トランス,定価が\3200(税込み\3456)なのに,\4250で落札,
一体これをどう考えたら良いのでしょうか?

入札をやっている間に,ヒートアップしてしまい,我を忘れてしまい,気づいたら,
ちゃんとした販売店で買った方が安かった,なんてことに後で気づいたら,笑うしかないですね.
これは買った方の責任で,単なる笑い話,間抜けな話かもしれません.

もしかしたら,同じ品物でも高く買った方が,たとえまったく同じ品物でも良い品物,
或いは,買った人は金持ちでえらいとでも思っているのかもしれません,
だけど,どう考えても,短慮すぎるとしか考えられません,少なくとも私はそう思っています.


よく,ファッション関係では,値段を高くした方が,ありがたがって買う人が増える,
なんてことも聞きますので,世の中には変わった人もいるので,なんともはや,です.


よほどお金が有り余っているんでしょうか,それならば,うらやましい限りです.
そんな無駄なお金があるなら,困っている人へ寄付をして頂きたいものです.
その方が世のため人にため,功徳もつめるというものではないでしょうか.





2. カタログ

真空管アンプ自作に関する雑誌などは,興味があってよく探すこともあるのですが,
最近目につく,実際には実に目障りで鬱陶しいものに,旧製品カタログの販売があります.

値段を見ますと,\200 くらいから,中には\2000,なんてものまで有り,
確かにさほど高価な品はあまりありませんが,元々製品を売らんがなのためのカタログですから無料,
値段が安いのは当たり前,いえ,そんなものを売ろうとすること自体が理解出来ません.


そりゃ,中にはその意匠などに興味がある方もいるでしょうけど,
それなら,美術関係の領域に出していただきたい,そう思います.
美術品として価値があると考える方は尊重しますが,少なくとも,オーディオ分野ではないでしょう.

出す分野によっては 「邪魔者」以外の何ものでも無いです.


オーディオアンプやその部品の領域に出すのは筋違い,まったく迷惑でしかありません.
そこで,大いに疑問なんですが,これはオーディオ分野で誰が何のために買うんでしょうか.

それよりも買う方が見えるのでしょうか?


アンプ旧製品の場合なら,回路図が欲しい,その図が修理のために必要,なども考えられますが,
それならネットで知恵袋などに質問すれば無料で簡単に入手可能だと思います. 
実際に私もコピーですけど送ってさし上げたことがあります.
そのくらいのことはお互い様で,送料は負担頂きますが,カタログなど販売するようなものでしょうか,
お金を取るようなことではない,どうもそこのところが解りません.


スピーカなどのカタログに至っては,何のため買うのか理解できません.
眺めていても,カタログで音は聞けませんから,実に空しいだけじゃないでしょうか.
それで音楽を聴くこともできないのに,買い込んでも,一体何の意味があるんでしょうか,
眺めていたら音が聞こえてくるのでしょうか.


スピーカは音を出して,なんぼのもの,でしょう.


いずれにしても,カタログは基本的に無料,収拾マニアがいたとしても,それは美術分野で,
まったくオーディオとはお門違いです.
カタログを収集するのは,オーディオフィルとは無関係だと思います.


オーディオフィルで,カタログを眺めている人は,なんだか,空しく,寂しいような,
そして情けないような気がして仕方がありません.

実物を集めなさいよ!たとえ安物で普及品であっても,まずは出来るものから.
音を出し,音楽を聴いてこそ意味があるんじゃないでしょうか.
オーディオフィルとしては,情けなさ過ぎです.



3. 意味不明

タムラのインプットトランスのエージング法を伝授します???

トランスのエージングって何のことでしょうか,浅学の私には理解ができません.
一応,材料工学も電磁気学も勉強をしてきましたが,トランスのエージング法,さっぱり解りません.

トランスの素材,これは鉄や銅,ニッケルとその合金であり,
それらの配合割合や結晶構造などが,特性を左右するものぐらいは理解出来ますが,
エージング,言い換えれば経時劣化ですよね.

電荷によって常温において結晶構造が変わるんでしょうか,
或いは,変わるほど高温にするんでしょうか,そんなことやったら,絶縁が破壊されますよ,
それとも,残留磁化なのでしょうか,

それなら音響工学的には単なる歪みの増加ですよね.

確かに,歪みの増加がすべて悪ではないと,最近理解が出来始めましたが,だけど,
通常使用におけるトランスのコア素材の経年変化,一体如何ほどのものでしょうか.
その値たるや,微々たるもので,とても耳で検知出来る値とは考えられません.
聞く方の耳が経時的に変わる,これは大いに起こりえますし,実際に感じたこともあります.

それは人それぞれ,環境や心情による変化の方が遙かに大きいように思います.
状況変化が,同じ音をまったく異なる音に聞こえさせられることも十分経験させられてきました.


しかし,多少なりともお金を取ってその変化を起こさせるとなると,これは話が異なります.
まさか磁化させることで,構成材の分子構造や結晶構造を変えるとでも言うのでしょうか.
そんなことができるならば,これは学術的な大発見です.


バッタ屋のトランスなら,巻線がいい加減な場合もあるでしょう.
それでも,エージング,老化させて,振動が収まるかどうかは解りませので,
運を天に任せるようなもので,たまには良くなることが無いとは言えません.


しかし,その対象になっているのがタムラのトランスですよ,
国産最高峰,世界的にも最上級と折り紙の着いたトランスです,
巻線の不都合な製品など考えられませんし,これまでに経験したことなどありません.

これって何なんでしょうか,お金を払う気はありませんから,内容は解りません.
エージング,経年劣化をさせて,トランスの音質が良くなる要素って何なんでしょうか.
材料学などで得た知識からは,電磁気学的にも材料学的にも
悪くはなっても良くなりっこないです.


まさか,直流磁化をさせてしまって,最悪のヒステリシスの問題など,ではないですよね.

これも例によって,科学的には不明確だけど,耳で聞いたら良くなったと言うんでしょうかね.


スピーカーのエッジ,製造直後の真空管など,エージングによって変わることは当然ですけど,
トランスでは如何なものでしょう,有ると仮定しても,極めて僅かな変化となるとしか考えられません.
音まで変わり,それを人間の耳で聞き分けられるのは不可能に近いように思います.


もしそう思ったとしても,それはそう思ったとだけ言うべきであって,
その限界,個人的な思い込みの線を超えてはいけません.
それでお金を取るっていうのは,明確に詐欺と見なされても仕方ないでしょう.

そんな与太話は,仲間内で話しているうちは,楽しい笑い話で済むでしょうけどね.
仲間内の雑談で楽しむのが筋(それなら納得)で,よくあることです.
多分,学問的な知識がある人からは馬鹿にされるのが落ちでしょう.

理学・工学の勉強もせずに,金儲けにのみ走る方が結構います.
正直で,純真な愛すべきオーディオフィルを騙すことだけは止めて頂きたいものです.



どうも良く解らないことがオークションにも結構あります.




かく言う私自身も,かなりプラシーボに犯されているかもしれません.
まさしく3極管狂いもそのプラシーボ症候群のなせる技かもしれません.

これらは,仲間内で楽しむ範囲,雑談の中でならば,たわいもない面白話で,許されるべきだと思います.
しかし,これにお金が絡むと,それは許されてはならないことだと思います.
無料で教えますよ,ならば大いに皆で楽しめば良いし,そのような悪意のない無駄話も,
また趣味に一つだと思います.








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