オーディオ歴

欧州管開眼


PX4改造,2A3 製作後は,心静かに,オーディオを楽しんでいました.
若かりし頃と違い,多少暇が出来てもさほど Amp 製作意欲が湧きませんでした.

ここで,止せばよいのに,久しぶりに(30 年ぶりに)、手持ちの球を調べてみました。
その名目は,球の整理です.かなりの保管場所を取っていましたので,
真空管に無関心な当研究所管理者からクレームが当然発生していました.
球を入手したのは昔のことで、何を何本持っているのか定かではなくなってきていました。
 30 数年前に入手し、押入の中で、ズゥーーート、眠っていた球たちです。

整理をしてみると,結構集めたモノだなぁと思うほどありました。
勿論、新品だけでなく、中古管もたくさんありました。
中古管は、大部分が NHK 機器からの抜き球で、MT 管がほとんどです。

総数,約700本!(使い物にならない球も結構あるかも知れません)

ところで,この中に欧州管はわずかに8本だけでした.

30 数年前に,国内販売店から入手できた欧州出力管は, PX4, PX25, DA30(PX25A), 
AD1, RS237, R120 位で,Ed, や RE604 などは探しても滅多にありませんでした.
ただ,Quad や Machintosh に使われていた KT66 や KT88 は早くから知られていました.
また,多極管に至っては,上記 3 種以外には,その存在すれあまり知られていませんでした.
後になって,EL156がレコードカッティング装置に使われていると紹介された程度でした.

直熱三極管は紹介された初期こそ\5000程度で入手できました(RS237,Ed,RE604を除く)が,
あっという間に手の届かぬ値段になりました.

オーディオを再開してから,雑誌や,Net を見ると,結構欧州管が見受けられ,
まさに隔世の感!でした.(値段は別です)
30 数年前は PX4 や PX25 のソケットである UF (正式には B5 ?) ですら入手難で,
浅野氏に至っては,ソケットを自作するしかなかったことは周知のことです.

安い欧州管はないものかなぁ,と雑誌をパラパラ.まず,目に入ったのは EL8 (\1000) です.
値段とその形に魅せられ買っては見たものの,サイドコンタクト用P8ソケットの入手に苦労をしました.
通常の販売店では,EL8 の数倍!?,これではあんまりじゃないかと思いました.
  (今は国内でわずか \300 で,しかも,幾らでも入手できることが解りました)

その後,浅野氏の PEN45 の記事を読み,すぐに乗りやすい所長故に,
何処かに安く出てないかなと,日曜ごとに欧州の販売店を Net で探していると,
EL3N が安く出ていました.なんと! 10 ユーロ! さらに,これに見あう整流管の
AZ1 に至っては,8 ユーロ!(今は少々,かなりかな,値上がりしています)

球を見つけると同時に,EL3N の三結の実測データも発見!
Ip 特性は定規で直線を引いたのではないかと疑いたくなるような結果でした.
米管の Ep-Ip 特性しか見てこなかったので,バイアスが深くなるに従い,
曲線は当然寝てくるものと思っていました.
傍熱管なのに,これじゃまるで古典直熱三極管じゃないか・・.

ウーーン,やっぱり欧州はすごい!
年代的には,PX4 --> 45,PX25 --> 2A3 ですが,仮に欧州管開発年代を実際より遅かった,
言い換えれば,技術的には無理矢理米管を持ち上げたとすると,PX4 --> 2A3 ですが,
音質では定評のある単陽極の2A3は,製造の難しさから数年で複陽極になってしまいました.
複陽極の2A3では,その技術・音質では到底米管は欧州管に追いつきません.

どうやら,傍熱管でも,PX4 や PX25 に見られた技術力は例外ではないようです.

これからは,欧州管だ!
    全く,何処までいっても,性格は変わらないですねェ.

後は,如何に欧州管を入手するかが勝負,当然安く!.

当分は,オーディオから足を洗えそうにありません.




多極欧州管へ



オーディオ歴へ

ホームへ