MH4 系電圧増幅管

K1694



K1694 は魅惑の真空管アンプ(浅野勇著)で,
PX4,PX25 および DA30 の前段として紹介された,
MH4 と同等管で,欧州で多用された電圧増幅管です.
ソケットは欧州独特の B5 あるいは UF と称する 5P です.

形状は ST14 相当ですが,米球と異なりかなりスマートです.

MH4 の同等管は数多くあり,41MTL,ACHL,AR17
CV399,CV1037,D4,HL4,NR31,VR37,A4110
TL425,TE24,70504,REN904,41MHF,ACHL 
HLA2,4GPAC,354V,A30D など,まだまだあります.
  
この K1694 は旧東ドイツで生産された球です.
管外部表面には,シールド用の塗装が施され,
内部を見ることはできません.

ヒーターは4v,1A 傍熱管です.
上記の球は増幅率が 37〜40 と比較的高いにもかかわらず,
管内部抵抗は 11 kΩと低いのが特徴です.


ちなみに,米球の 6SN7 は,増幅率が20で,内部抵抗が7.7kΩ
6SL7 は,増幅率が70で,内部抵抗が44kΩです.
似た特性の球は,米球にはなく,欧州独特の球です.

強力な電圧増幅管で,PX25 程度ならば,1 段増幅でも実用になります.
音についても定評があり,PX4,PX25,E406N,AT20 などに代表される
欧州系の直熱三極出力管には,まさに,ぴったりの電圧増幅管です.

欧州系の出力管が比較的多く輸入されるに伴い,MH4 系の球は入手難になってきました.
特に,MH4 は,最近では,販売店を探しても,ほとんど在庫はなく,
たとえあったとしても,とても購入できる値段ではありません.

欧州でも同様で,価格は国内より高い場合が多くなってきました.

ところが,MH4 同等の K1694 は,比較的遅くまで生産されたため,
かなりの球が市場にあり,内部が見えないというハンディもあって,比較的安価です.

現在 \2000〜\4000 程度で購入できそうです.

ただし,あると言っても数は知れていますので,何時までも保つとは思えません.
安く入手できるならば,早々に購入するのが良さそうです.






真空管雑感 -- 電圧増幅管・整流管へ



真空管雑感へ

ホームへ