真空管雑感

EF6



8Pサイドコンタクトソケットの低周波5極電圧増幅管です.
この時代の欧州管の特徴として,EBC3 と同様に
グリッドはトップに引き出されています.
ヒーターは6.3v,0.2Aです.

グリッドキャップは9mmで,一般的な大きさです.

このトップグリッドは使い勝手が悪いのですが,
この時代の欧州電圧増幅管は大部分が同構造です.
ところで,これに使うグリッドキャップには,
タイト製が出回っていますが,イマイチ格好悪い・・.
昔のベーク製は入手難だし,何とかならないモノでしょうか.


Philips 発表の動作例です.
Ebb:250v,Ip:1.6mA, Ig2:0.3mA, RL:100kΩ,Rg2:250kΩ,Rk:1.6kΩ
Voltage Gain (Vout/Vin):110

AD1 を負荷とすると,出力電圧31v(RMS)時に歪みが2.7%となっています.
Ebb を 300v 迄上げると同一回路で歪みは1%迄下がります.

さらに,この球の抵抗容量結合データには,EL2,EL3,EL5 および AD1 
が示されています.

3結時のデータは,Eb-Ip 特性曲線のみが示されています.
これによれば,μが40程度は見積もられますので,
EL2,EL3,EL5 の3結ならば1段増幅でいけそうです.

3結時の動作データは,実験終了後に up します.
    例によって,何時になるやらわかりませんが・・・.

我が国では,高周波用のEF37(EF7)が雑誌により先に紹介されたために,
有名(=高価)になりましたが,マイクロフォニックノイズを考えれば,
当然のことながら,低周波使用時は同特性の EF6 の方が断然有利です.

問題の価格ですが,低周波用にもかかわらず,
一般にあまり知られていないため,かなり安価です.
Philips の球で \1000〜\2000 程度です.
欧州では,6〜10ユーロ程度でしょう.
EF37(EF7)と比べると,ずっとお買い得です.





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