真空管雑感

EBC3



8Pサイドコンタクトソケットの
低周波用双2極3極電圧増幅管です.
この時代の欧州管の特徴としてグリッドは
トップに引き出されています.
ヒーターは6.3v,0.2Aです.
グリッドキャップは9mmで,6C6,6D6,WE310Aなどと同じです.
このトップグリッドは使い勝手が悪いのですが,
この時代の欧州電圧増幅管は大部分が同構造です.

一般に双2極管部は低周波用としては使い道がありませんが,
三極管部はμが30で,プレート内部抵抗が15kΩです.
Eb:275v,Ec:-6.25v,Ip:5mA となかなか強力な球です.


動作例としては,

Ebb:250v,Eb:150v,Ip:2mA,Rk:2kΩ(Ec:-4v),PL:47kΩ で4〜50vは振れます.
Rg の最大値は 1MΩ(Fixed-Bias)ですので,使用上の制約はほとんどありません.


この球は,Telefunken により,かの有名な名出力管 AD1 の電圧増幅管に指定されています.
しかし,我が国にはあまり輸入されなかったためかと思われますが,
雑誌にも取り上げられませんでした.
おかげで,今日でも価格はかなり安めです.

オークションでも珠に見かけますが\1000程度です.
欧州では,6〜10ユーロ程度でしょう.
ECC32(μ:32)などは1本1万円近い値段が付いていますので,
その片ユニットと思えば,超お買い得??ではないでしょうか.
トップグリッドとサイドコンタクトを考えなければ・・・.

AL1,AL4,EL2,EL3,EL5,EL6 などのサイドコンタクト出力管には,
同一ソケットですので,凝性の方にはまさにうってつけでしょう.

所長はこの球を W5H(サイドコンタクト傍熱3極管) シングルに使っています.
メタルシールドをアースに落としておけば,シールドケースは不要です.
最も,忘れたとしても,手などを近づけない限りノイズ的には問題ありません.





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