旧ドイツ郵政局で使われていた欧州傍熱多極出力管です.
ヒータは4v1.5Aで,ソケットは,旧独郵政局独特の7ピンタイプです.
E2d の2 を除くとかの有名なEd 直熱3極出力管ですが,
E2d もソケットだけは同じです.
メーカーはシーメンスをはじめ,多々ありますが,今日入手の容易なものは,
元祖シーメンスとRWN(東ドイツ)でしょう.
シーメンスはかなり高価ですが,一方,RWN は極めて安価です.
このような,プロ用の球であることを考慮すると
ちょっと信じられない値段です.
プレート損失が 10W,出力は 1.5W です.
最もこれは旧独郵政局での極長時間使用を考慮した値です.
特性的には,EL3,AL4 とよく似ていますが,全く同じではありません.
残念ながら,3結データは未発表です.
ソケットは,ドイツポストタイプで,入手は容易ではありません.
値段的にも結構高価で,且つ,使い勝手もあまり良いものはありません.
ソケットを購入する時は,(できれば実物を)よく見てからにした方がよいと思います.
かく言う所長はタイト製(多分,中国からの輸入品)を購入して,がっかりしました.
あまりにも無骨で,不格好で,とてもじゃないけど,この球の品位にそぐいません.
べーク製の輸入品(\860)ならば,まあまあ使えそうです.
納得がいかなければ,仕方ありません,自作です.
ところで,この手のソケットは比較的簡単に自作できます.
ただし,センターピンの配線がない場合だけです.
3mm 厚のベークライトに4.25mmの穴を7ヵ所空け,ピンの保持と配線の引き出しには
タイト製のUZ,UT などに使われているものを流用します.
ピンを両サイドから挟み込むタイプのものです.
UZ ソケットなどで米国製や国産は高価ですが,中国製ならば安く,\200程度で出回っています.
周りの6ヵ所のみ端子を取り付け,中心ピンの端子の取り付けは困難ですので行いませんが,
E2d や Z2b には問題はありません.中央のピンはNC(無接続)です.
さて球の組み合わせです.
整流管は,同じドイツポスト7P の Z2b 以外は考えられません.
ヒータは4V1.5A,出力容量は 100mA ですので,ステレオでぴったりです.
・・・問題は前段です!
ポスト 7Pin の電圧増幅管は,Bi がありますが,如何せん高価です.
RWN 製(K1694のソケット違い) Bi でも \5000 です.しかも,結構入手難です.
手持ちの球をチェックしたところ,旧ドイツ郵政局で使われていた電圧増幅管で,
C3g がありました.
当研究所顧問の F 教授 によるユニバーサルアンプの試聴結果でも C3g(T) は
良い結果が出ていますので,ソケットの違いには目をつむって,
旧ドイツ郵政局関連管で統一するのが良さそうです.
C3g(T) - E2d(T) - Z2b
(追)
製作開始をぐずぐずしている内に,オークションにて,
オーストリア・シーメンス製 AC-102 が出ているのを見つけ入手しました.
AC-102 (ドイツ・ポスト・7ピン) は見れば見るほど良い球です!!
しかも,驚くような安値で購入しました.m(_ _)m
といっても,一般的には入手難,かつ,高価と思います.
ここは,出品者の方と幸運に感謝をするばかりです.
こうなると,回路は決定されたも同然です.
A102 - E2d(T) - Z2b オール・ドイツ・ポスト・7ピンです!
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