この球はオーディオ用ではありません.
独電話公社の通信用の3極出力管です.
WE104 の欧州版とも言われています.
写真の球は,RWN,東ドイツ製です.
もっとも有名なメーカーは Siemens ですが,
価格は信じられないくらい高価です.
出力は,WE104 同様に,わずかに0.7wしか有りませんが,
その音質は幻の名球 Ed の系統とも言われ,定評があります.
RWN 製や,Siemens 製とはいえ,Cas は,比較的安価で,
4桁円/本 で入手できます.
つまり,1万円以下と言うことです.
ちなみに,写真の球は \6400 でした.
Cas は管壁にメタルを容赦した球で,特性的には全く同じ物です.
電極が見えないということで,比較的安価なようです.
ソケットは,独ポスト5P と称する特殊な物です.
しかし,このソケットも国内にて容易に入手可能です.
価格も,3桁円/個と,誠にリーズナブルです.
Shop によっては,なんと \5000/個 !! という
????も 4 個ほど付けたくなる物もあります.
電圧増幅を,C3g,Di(Siemens,Fotos)等で行った試聴では,
三菱 P610A,Tannoy 15'を駆動して十分な出力でした.
その音質は,やっぱり,Ed の孫です.ちなみに,子供は Da (WE205 相当)でしょう.
現在,Ed 特に Siemens 製などは,とても我々貧乏人の手は届きません.
無論,Ed は球自体もほとんど店頭で目にすることもありません.
店に有っても,特別な客にのみ店の奥から持ってくるような扱いです.
なぜ,Ed の孫の音と解るかというと,当研究所顧問の F 教授が持っていて,
その音を聞かせて頂いたことがあるからです.
さてこの球でアンプを組むとなると,やはりすべてに拘りたくなってしまいます.
すべての球を,独ポスト5P - 7P で揃えると,
Di - Ca - Z2b とならざるを得ません.
ところが,手持ちの Di は,すべて,なす管のため,出力管よりも電圧増幅管の方が
同じ高さにもかかわらず,大きく見えます.
ちょっと,何かなぁ,となってしまいます.
やはり,見た目は C3g(T) の方が,収まりがよいかなぁ.
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