旧ドイツ郵政公社専用の通信用電圧増幅5極管です.
オーディオ雑誌で紹介され,広く知られるようになりました.
独製 WE310A と言っても良いかもしれません.
一連の球に,C3o,C3m などがあります.
ヒータは,C3g が 6.3v 0.37A ,最大プレート損失 3.5w
C3o が 6.3v 0.4A ,最大プレート損失 4w
C3m は 20v 0.125A ,最大プレート損失 4w.
C3o と C3m はヒーター違いの同等管です.
これらは出力管としての動作規格もあり,
出力はそれぞれ,C3g:1.2w,C3o&C3m:1.5w です.
通信用途のこの球も10万時間に及ぶ寿命があります.
一般に市販されたことがありませんが,旧ドイツ郵政公社解体に伴う放出品が
大量に出回っています.
メーカーはシーメンスが入手可能です.
三結にすると特性曲線から推測すると,増幅度が 40 〜 50 と使いやすくなります.
Ebb:225v, Rp:47kΩ,Rk:1kΩ,Ip:2mA,Eg:-2v
プレートに130v 位がかかるはずです.
C3g の値段は安く,\1000 という,通信管としては信じられないような値段です.
WE310A が \1000 ならどうしますか?と言いたくなります.
C3o と C3m は比較的高価で,\3000〜\5000 です.
シーメンスの黄色の帯があるとなぜか値段は一気に上がります.
帯がなくとも,管頂にはマークが入っていますし.
規格を見ればわかるように,C3g と C3o/C3m の違いはわずかです.
特に, C3m のように 20v ヒータの使いにくい球をわざわざ使う必要はありません.
このあたりが雑誌による魔術・悪弊でしょう.
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