真空管雑感

Bas




旧ドイツ郵政省専用電圧増幅管で直熱管です.
ヒーターは3.85V,0.3A という中途半端な規格です.
最大プレート電圧が150V で,μが15です.

ソケットは旧ドイツ郵政省専用の独ポスト5Pinです.
このソケットは長年入手難で,やむをえず自作する方も
結構居られましたが,今では,\900程度で入手が可能です.
同じソケットは,出力管の Ca や Da でも使われています.

基本管は Ba で,Bas は欧州管特有のメタルスプレーが
掛けられていて,残念ながら,内部電極は見えません.
この内部電極が見えないことで,人気が無く,
比較的安く入手が出来ます.
Ba ですと価格は少なくとも 1.5 倍はします.


写真の球にはメーカー名が書かれていませんが,
調べてみると, Valvo 製である可能性が高いようです.
同一管は Siemens でも製作されていましたが,勿論,価格はかなり高価です.
また,RFT でもかなり後ほどまで製作されていました.

Net 上を見てみますと,Ca や Da などの電圧増幅に使われている方が多いようですが,
この球を,前段に使って直熱出力管 Stereo とすると, ヒーター回路が
整流管を含めると,5回路必要になります.
このような電源トランスは市販品にはあったとしても相当に高価です.
貧乏所長ではとても手が届きませんので,このような使用法は無理があります..

解っていますよ,技術的に無力なことが,原因であることは・・.

前段での使用が困難では,残る所は Line Amp です.
これなら,6.3v 2回路有れば,直流点火が出来ますので,何とかいけそうです.



(追)

Baは電圧増幅用と思っていましたが,どうやら元は汎用管のようです.
なんと,電力増幅にも使われたことがあることが解りました.

と言っても,出力僅か0.2Wですから,何とか高能率SPなら音が出せるかなと言ったところです.
実用にはどうかなと思っていましたが,0.2W の Amp で 三菱P610A を聞かせて貰いますと,
これが結構大きな音が出るんですね.

驚きました!!!

夜中ではかなり出力を絞らないと近所迷惑になります.
どうやら米管では UX-12A 相当らしい,
ならば確かに我が研究所でも出力管として使っていました.

かなり定格オーバーですが,0.5W も出していました.
出力管の分類へ移そうかなとさえ思ってしまいました.





真空管雑感 -- 電圧増幅管・整流管へ



真空管雑感へ

ホームへ