最近は新たな真空管，と言っても近代管ではなく，昔ながらの球ですが，
どうも買いたくなる球が少なくなってきました。
欲しい球や部品が無いか？と聞かれれば，イエイエそんなことはありません．
そりゃありますよ，だけどそんな球は，とても所長では買える値段ではありません．
これは球だけでなく，トランスなどの部品についてもまったく同じ状況です．
イヤーッ，お金持ちが羨ましい！欲しいものはたくさんありますが，
もっとも，買い集めても、もうおそらく自分では使い切れないのではないかと思います．
最近我が研究所では高出力アンプが影を潜めています．
何だか格好良く書きましたが，高出力アンプと言っても，実際にはせいぜい数Wが最大です，
が，この数Wすら使い道がない状況です．
95dB の音量を聞いたら，とてもじゃ無いけど心地良い音じゃありません．
音に包まれると言えば格好良いですが，実際は煩い！
話し声も聞こえない，食事の会話もままならない，何のための音楽？
所長の理想は，一杯飲みながら音楽を聞きつつ好きな本を読む，です．
そしてこのスタンスは今でも揺るぎません，謂わば，音楽家とはほど遠いのかもしれません．
実際に本を読みながら，アンプ設計をしながら，聞いているアンプは出力 0.3W です．
なんら出力不足を感じません，むしろ，嫁からは煩い！と言われています．
今は 12AU7 or 5687 の Single Amp ですが，常用は 12AU7 です．
昔、私が小学校にあがる前に，我が家には親父が買ってきた電蓄，42s があり，
とてつもなく迫力のある音を出していました(家が揺れていたような・・)．
当時は童謡などを聴いていましたが，たまに聞く変な音楽(クラッシック)も聞かされました．
そう思えば3Wと言えば凄い出力なんですね．
気に入った音楽を気に入った音で聞く，これが最良では無いのかと最近は思っています．
(故)武末氏は造ったららまず測定をせよ，歪みを減らせと，と，当初言ってましたが，
Amp技術者としては納得しますが，元々録音媒体は変な輩(済みません)がいじり回した結果ですから，
高忠実度再生を行っても，実際の演奏とはまったく違っています．
高忠実度再生は決して良い音楽ではないと言っても過言ではありません．
じゃ何が良いの？となると，結局聞く人が心地良ければそれが最も良い，
としか言えないのでは無いでしょうかと，最近は思っています．
そこでとうとう｢病膏肓に入る｣ではありませんが，いい音なら出力は不要かも，
とばかり昔のラジオ用出力管を使って見ようという気になりました．
基準は 100mW 新氏もチャレンジされたが，まぁいけそうかなという感じです．
実際の所，欧州製の昔のラジオ用は安い，つまり買える値段と言うことです．
問題はヒーターが 2V と言うことで，電源トランスが厄介です．
電源トランスはレギュレーションなど問題外，容量さえ満たせば十分ですので，
ここは特注，一般的な伏せ型で巻いて貰って\5000程度ですから，
別途ヒーター用を使ったりするよりも安くて簡単です．
出力トランス，これは音質に直接関わりますので，さてどうするか．
手持ちを調べると，大昔，約50年前に友人と立川市にあった米軍払い下げ品を扱うバッタ屋で，
たまたま見つけた 6V6 Single 用で，一次が8.5kΩ/4,8,16Ωがありました．
これは UX-12As に使って結構良い音を出していました．
負荷抵抗が 5〜10kΩならば問題ないのですが，手持ちの欧州ラジオ用出力管は，
内部抵抗が遙かに大きい，ところが，何とこれら欧州管の負荷抵抗は概ねが10kΩなんです．
もしかしたら低歪み動作領域なんて無関係？かもと勝手に解釈して，採用！
最近は病がますます重くなり，購入する CD もまさしく復古調です．
50年ほど前には，カラヤンが台頭，全盛期を迎えましたが，
どうも私には，どこと言ってあげつらうことも無い変わりに，
演奏が薄っぺらくてどうしても性に合いませんでした．
評判に押されて，何枚かLPも買いましたが，あまり聞くこともありませんでした．
主要な盤はベーム盤でしたし，今はLPをすべて売り払ってしまい，
CD のみとなりましたが，やはり手持ちはお気に入りのベーム(独グラモフォン)が大半です．
昔，フルトベングラーを聞いて，凄いなぁ，と思いましたが，
当時は廉価版しか無かったので，やむなく買いましたが，
何処か変にノイズキャンセルをしていて，違和感がありました．
結局，そのCDはどこかにあるはずですが，段ボール箱で眠ったままです．
ところが，最近復刻版で，マスターテープから起こした CD を見つけて聞いてみると，
これが凄い！の一言，もちろん Mono ですが，読んでいる本から意識を呼び起こされます．
最近の録音(演奏)とは一線を画するできです．
やはり才能の差でしょうか，最近の演奏は，奇をてらっただけの演奏が多くて閉口します．
何だか良くない前兆・・・，と思いつつ，自重・自重・自重と念仏を唱えていましたが，
ここ最近の自宅籠城で暇だけは有り余る状況で，飲みにも出かけられない．
結局ベートーベン全集，ブラームス全集，さらにシューベルトと・・・。
それでなくとも CD の置き場所がない，これ以上増やさないで！(私の好きな曲は別)と，
クレームを受けていましたので，こそこそと購入しました．
レコード店へ出かけて買える状況ではありませんので，郵送で届けば当然バレます．
我が家の Mono 装置は Sachsenwerk これで聞いてはいけないと今思っています．
おそらく，十分過ぎるような迫力と臨場感で鳴りそうです．
そうなると，多分ですが，さらに重症化しそうな気がします．
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