Altec の SP のなかで,最も安い部類の Unit です. 鮮明な写真は下記のサイトをご覧ください. 元々オーディオ用ではなく,劇場・映画館などの 館内放送用で,いわゆる PA 用です. 従って,公称再生周波数帯域は,85-18000Hz です. 能率は97dB/wと高く,0.2〜0.3wで駆動できます. 実際の使用にあたり,50リットル程度の箱に 入れても,実用的には,100-15000Hz と思えば 間違いないと思います. とてもじゃないけど,80Hz 以下は無理かと思います. さらに1kHz 以下は,2kHz〜5kHzと比較して平均で10dB も低くなっています. このためかもしれませんが,いわゆる Altec Sound あるいは, California Sound と称するカラッとした明るい音がします. この音質が,この SP に対して好評をされ,かつ好まれる理由と思います. 中には,キャンキャンとうるさい,と酷評する向きもあります. 固定エッジのためもあり,20cm の口径の割には低音は出ません. バスレフにしても,この特性はあまり改善されず,むしろ無理に低域側へ10〜20Hz 程度を延ばすよりも,ノーマルな特性で聴いた方が良さそうです. バス・ドラムの太鼓の打音などは,さほど不足感がありません. ベースのピチカートも問題はあまりありません. 元々それほどの低音ではありませんので結構良い感じで再生します. 人の音声は,さすが PA 用だけあって,結構良い感じです. 現在,60リットル のダブル・サイド・バスレフに入れて使っていますが, ポートの体積をかなり絞った状態で使っています. ざっとした計算ですが,最適値に近いポートとすると,むしろ,100HZ付近に盛り上がりができ, ボンつく音,いわば安物の電蓄音,のようになってしまいます. 昔のスピーカですので,低域になるとインピーダンスが極端に上がりますので, 低域を多少とも求めるならば,これに打ち勝つアンプが必要になります. 石のアンプで鳴らすと,低域は,国産の 10cm クラス並みになってしまいます. 球の無帰還アンプを用いると,低域はかなり改善されますが,連続打音に問題が残ります. ある程度広帯域を必要とするクラシック曲などの再生に用いず,用法を間違えなければ, 値段の割には結構良い SP と思います. 惜しむらくは,生産が 10 年以上前に終了されているため, 現在は純正アルテックに限れば中古品しか入手できません. たまに,未開封長期保管品が売りに出ることがありますが,ほとんど期待薄です. 現在は中古品しかありませんが,エッジが固定ですので,経年変化はさほど酷くなく, コーン紙に破れがなければ,使用には問題ないと思います. 国内では,比較的値段が上がってきましたが,米国 ebay を見ますと,$50 程度で入手できます. 2個ならば,送料もさほどかかりませんので,この手が良さそうです. 郵便で自宅まで配達をしてくれますし,当然無税です. また,多くの劇場や,映画館で使われていましたので,改修に伴い転売があり, 出品数も結構ありますから,ebay落札はさほど神経質になって急ぐ必要はありません. ただし,以下の点はご注意ください. アルテックが身売りした後にエレクトロボイスで再生産された 409-E を送ってくる場合があります. 音はよく似ていますので,音質としてはあまり問題ありませんが,値段です. このエレボイならば,新品でも,$60〜$70 程度ですから,新品を買った方が得です. また,中国製408-Eを送ってくる場合もあります.これではどうにもなりません. 中華資本に買い取られたため,通称 or 別称がシンガポール,音はかなり違います. しかも,中華資本再生産がバレて,人気が低迷をし, 本社だけはオクラホマに登記を移しましたので,騙されやすくなってしまいました. 欲しいのは,ALTEC の 409-8E ですから. 409-A,B,C,D は多分間違うことはないと思います.多分,偽物は造られていません. Altec 409-8E の背面は,黒に近い灰色です.決して間違わないように!! シンガポールは背面がグリーンで,Professional?? となっています. 下記に参考になるサイトがありますので,よく調べてから購入することをお勧めします. Literature for Vintage Altec Products (追) 何とか良くならないかと,いろいろと手を尽くしてみました. 低域はツイータ配線をコーン紙から分離して低域を改善した報告がNetに有りました. 多少良くはなっていますが,やはり 20cm で期待するには,ほど遠いようです. 低域は諦めるしかなさそうですが,2kHz 〜 5kHz の盛り上がりに伴ううるささは 何とかしたくなります. 盛り上がりを CR ネットワークで取ると,何とも情けない音だし, ツイータの前の金属ネットにある程度効果の出る厚さの布を張ったら,音がこもっちゃうし, どなたか良いアイデアはないでしょうかねぇ. PA 用としては文句のつけようがない特性なんですが,音楽用にはもう一つです. 良い意味で,結構面白い音が出てくるので,何とか使いたいなと,どうしても思っちゃいます. そう言えば,シーメンスの小劇場用コアキシャル, あれにはツイータの前に高音を拡散させる音響イコライザーが付いています. あのイコライザーのおかげで音の広がりと,高音のキツさが取れていると思うんです. どこかの shop であのようなイコライザーを造っていただけないものでしょうか. プレス型は高価ですので,ある程度量産をしなければペイ出来ないでしょうけど, 409Eの所有者は結構多いでしょうから売れそうに思うんですけどねぇ. 追追) 60リッターサイドポートバスレフは大きすぎと外観の悪さで持ち帰りの許可が出ません. やむなく,綺麗な外観の市販SPの箱に入れ替えを行いました. 各種の箱を見せてお伺いを立てると,旧サンスイの組格子キャビがが綺麗とのことで, 20cm 取り付けでは最も大きい SP70 を Net で落札(\3000)しました. JBL の流れをくむサンスイユニット用ですから,バスレフポートは比較的小さく, 100Hz 〜 200Hz にかけての変な盛り上がりも出ず,外観は実に良い感じです. 退職に伴う自宅への搬入も難なくクリヤしました. 内容積が小さくなりましたので,出ない低域がますます出なくなりましたが, 1960年代から70年代にかけての歌謡曲やグループサウンズ, これしか,もはや理解できない歳になってしまいましたが, 結構良い感じで再生(MP3 File)されています.