オーディオ歴

小出力欧州管



昔,自宅使用の Amp の出力を計ったことがあり,その時の通常出力は 
出力計付きのバルボル読みで最大で 50mW でした.SP の能率は 97dB/1m-W でした.
その結果から Amp に大出力は要らないなと感じていました.

実際に,現有 Amp では最も大きな出力でも 2.5w どまりですが,全く音量不足感はありません.
Main Amp に必要な出力は,最近は 1w かそれ以下でも良さそうだなと思っています.

そう思って欧州管を捜してみると,結構たくさんの球があるんですねぇ.
故浅野氏の欧州三極管リストには出力 1w 以下の球はほとんど載っていません.
最も,当時はPX4 が \3710,PX25,DA30 が \4800 でいくらでも入手できましたから,
わざわざ 1w 未満の球を用いる必要もなかったのでしょう.

ところが,今では,球がない,高い,4V ヒーター回路を持つ電源トランスもないという三重苦です.
音は魅力的だが,もう欧州系の直熱三極管 Amp は夢かと言うことになります.

ところがどっこい,
「捨てる神あらば拾う神あり」で,安い魅力的な球が売り出されてきました.

最初に興味を引いたのはLS8Aでした.
写真で見ると,何となく頼りない,出力管に見えないほど小さな球でした.
しかし,\3000,しかも,出力は 0.6w 取り出せる.
販売店の説明によれば,米国系 UX-71A 相当,れっきとした出力管です.
さらに,WE104 相当とも言われていることもどこかに書いてありました.

出力としては,十分実用になりそうです.
これは使用 SP によりますが,ひとまず買っておこう.
なんと言っても,この手の球はぼやぼやしているときっと値上がりして,
所長のごとき貧乏人では買えなくなるのは目に見えています.
届いた球は,まさに写真そのまま,Ni プレートの綺麗で小さな出力管でした.

さすがに直熱管だけ有って,EL8 と比べると多少は大きく,出力管らしく見えます.
1940年代ではかなりな大出力管??のようだったそうです.

さて問題はです.
早速試聴・・・,は出来ません,何分にも有言不実行居士,Amp ができるのは何時のことやら.
困ったときは,我が研究所の顧問 F 教授です.
なんとも頼もしいユニバーサル Amp 所有者です.

迷惑も顧みず押しかけて聞いてみると,素晴らしい,まさにミニPX4です.
これはかなりの掘り出し物です.
早速 2 本では心許ない,なんたって 60 年近く昔の球ですから何時断線の憂き目を見るかもしれません,
探してみると,結構売りに出ていますので,2 本買い足しました.


良い球を見つけたと,喜んだのも束の間,試聴で高結果を得たために,又しても泥沼にのめりこんでしまいました.

きっとまだほかにも類似の,小出力管があるだろうし,有名になる前ならば安価に違いない.
チューブマニュアルを開きながら,欧州の知っている限りの販売店をしらみつぶしです.

でも,これ以上球を集めたところで,こんなにたくさんのアンプを作れるのかなぁ.
これまでの球ですら,全部作るのは無理みたいなような気がしています.
電源トランスと出力トランスのセットだけでも,20 数台分,その中で現用が7台.
改造ではなく,作り直しを計画しているアンプが3台有ります.
さらに,今後10 台以上も製作をしなくっちゃいけません.

球をベースにすると一体何台分なんだろう.

いやいや,今しか買えない,なんたって値上がりしたら手が届かなくなります.
てなことをほざきながら,LS8 ナス管まで見つけてしまいました.





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