ところが受かることの無いはずの中学に入ったため，勉強に付いていけず，
普通ならば必死で勉強をするべきなのですが，
生来の勉強嫌い，意識の向く方向は常に遊び方面でした．
時間の余裕が全く無いにも関わらず，トランペット，ギター，テニス，ラグビーと遊びに熱中．
受験勉強で苦労をさせられた算数は，代数を知ってなんとも馬鹿馬鹿しいくらい簡単と解り，
さらに勉強をすれば良いのに勉強意欲を無くすという真逆の馬鹿なことをしました．
高等部では，これらの遊びに女の子が加わり，成績は下がる一方，
3年になってようやくこれでは不味いことになると気づいた時にはすでに時遅し．
結局現役では大学は受からずに，お袋の叱責の中，浪人しました．
親父からは，ただ一言，良く考えろ! これが一番こたえました．
その時，親父からはげんこつを頂戴しました(2度目で最後)．
予備校へ行きたいといったら，お袋に一蹴されました．
後で姉から聞いたところでは，
あの子は自由にしたら遊んで絶対に勉強をしない!
悔しいけど，さすが親，よく見ていました．
何とか親父を説得して，毎月報告に帰ってくると約束をして
いかせて貰えることになりました．
結果は・・・，下宿ですから，麻雀やパチンコに明け暮れ，
秋になってようやくこれはまずい!
1浪は人並み，しかし，さすがに2浪は許されません．
多少は勉強をして何とか大学に潜り込みました．
いざ大学へ，ところが校門はバリーケード封鎖，講堂は占拠され，
入学式もありませんでした．
真面目な学生は怒りですが，不真面目だったので，シメシメ，雀荘へ行こうぜ．
記憶には弱く，英語はからっきしダメだったので，
2時間もある入試試験時間を持て余し，
早々に試験室を脱出すると，同じ人がいて，出来なかった話をしました．
何と，彼も結果的には合格で，お互いに，あれ，お前受かったの？
後程教養部事務の課長さんと親しくなり，
これは内密だよと言いながら入試結果を見せて貰いました．
英語が出来なかったことは自覚していましたが，
20点/200点満点はさすがに愕きガッカリでした．
足切りがあったら君は完全に引っかかっているねと言われてしまいました．
物理・化学，3時間頑張った数学でカバー，世界史が思わぬ程よく，
国語は漢文のみ(現国・古文は多分×)でようやく最下位合格でした．
バリケード封鎖でしたが何とか教養部の一部には入れましたので，
そこでさっそく雀荘への話はまとまりました．
最初の数学の講義，解析学でしたが，最初から出席は取らないだろうとサボって雀荘へ．
ところが出席を取られ，4人が欠席，麻雀がバレてしまい，次週には大目玉．
身勝手な行動はするものではない! 勉強が嫌なら大学を去れ！
君たちには莫大な税金が投入されているんだぞ，と一括され，4人共にシュン．
正直に麻雀を白状しましたら，本来なら単位は認めないところだが，
以降真面目に講義を受ければ許すとの恩赦，ヤレヤレ．
ところがまもなく教養部も占拠され，
近づくだけで上から火炎瓶が落ちてくるようになりました．
勉強は嫌い，だけど，受けられないとなると反対に意地になって，
勉強をしたくなります．
その時同級生の一人が，当時脚光を浴びつつあった量子力学関連，
不確定性原理などを勉強をしようとの提案で自主ゼミを始めましたが，
テンソル解析はおろかベクトル解析すら危ない基礎知識では歯が立たず，
たちまち頓挫をしました(高い本を購入したのに)．
アホな学生の噂を聞いて物理学の教授が，君たちだけでは無理，
アドバイスをしてあげようと来てくれました．
その後，卒業まで，この教授には何かとお世話になりました(感謝)．
その後封鎖が解除され，ようやく講義が行われ始めました．
ただ，講義が受けられるようになると，生来の勉強嫌いが出てきて，
またまたサボり始めました．
転機は，卒業研究，皆が嫌がる熱工学希望で研究室に行ってみると，
君ほんとうに希望してくるのかね，と言われてしまいました．
そして，1冊の Text，世界標準の Turbulence(Hinz)を渡されて読んできなさい．
ワッ，苦手な英語，300 Page，こりゃ無理かと思いましたが，
研究室を希望と行った手前，引くに引けず，
本をお借りして下宿へ帰り，見てみましたが，
Introduction すらほとんど読めない・・・．
朝まで辞書を片手に格闘，何とか Introduction は理解出来ました．
その後，とにかく何とか読み進めましたが，数学でも躓き，
ようやく軌道に乗ったのは 1ヶ月後，その間，講義中も居眠り，
さらに居眠りをしながら訳の解らない寝言をつぶやき，
同級生にお前大丈夫か？と心配をかけました．
その後は，苦手な英語が嘘のように読めるようになり，何とか読み終えました．
この時理解したこと，英語は単に慣れるだけ，数学は基礎をしっかりしなければ解らない，
その代わり，理解すれば，数学ほど簡潔で解り易く便利なものは無い．
ようやく23歳になって勉強の楽しさが解りました．
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