真空管アンプの自作を楽しんでいる方ならばJunk Boxの 一つや二つはきっとお持ちでしょう. この Junk Box の成り立ちはどなたも似たような経過をたどってきたのではないでしょうか. 30〜40 年前は NHK をはじめとし,放送局でも膨大な数の真空管機器が使われていました. また、当時の在日米軍基地周辺では、米軍の払い下げ品を扱うバッタ屋があり, そこには、多くの真空管機器や、保存期間の過ぎた新品の真空管もたくさんありました。 従って、その廃棄機器を取り扱う,いわゆるJUNK 屋は,貧乏学生が 真空管やトランスなどの,ラジオ.オーディオ部品を調達する格好の場でした. これらのJunk 屋では、OPT とチョークコイル,電源トランス, オーディオ出力管と高周波管などの種類や用途は価格に関係有りませんでした. 特に、NHK の放出品などを取り扱う Junk 屋では、MT 管は \10,GT 管・ST管は \50 でした. 小さなトランスは,\100〜\300,大きなトランスは \500 でシャーシについている ロータリーSW や ATT、真空管はすべておまけでした. 無頓着というか、いい加減というか、全く大雑把でしたので、おかげで貧乏学生には まことに好都合な部品調達源でした。 私が社会人となった頃(昭和50年代)以降からは,半導体機器が多くなってしまうと共に, Junk 屋自体をあまり見かけなくなってしまいました. Junk 屋では山と積まれた廃棄アンプの中からめぼしい機器を掘りあて, トランスや ATT,ロータリー SW は丁寧に取り外します. 当時、新品 T型-ATT は 1 万円以上(/個)、ロータリー SW も \8000 以上(/個)し、 尚かつ、Pro 専用で,一般アマチュアには販売してくれませんでした。 NHK 放出のトランスはすべて タムラ製、つまり、当時の国産最高級品でした。 貧乏学生には、LUX がせいぜいで、いくら欲しくても、タムラはとても手が出ない価格でした。 泣く泣く安物ですが,サンスイ(現在の橋本)やタンゴを買うのが精一杯でした. ちなみに、私は学生時代、下宿(6畳間)住まいで月額 10000 円程度で生活していました。 いかに高価な部品であったことかと感慨深いものがあります. ここで入手した部品の中で、6CA7,6GB8,6V6, 6F6,6L6-G などは中古管保管箱へ, ATT とロータリー SW は接点を鹿皮で磨き,潤滑油をさして、新品同様となって部品箱へ、 その他,雑多な部品や MT 管を主体とした真空管が Junk Box へ放り込まれました。 その後に,Tube Tester を使用出来る状況になってから,チェック後 12AX7, 12AU7, 12AT7, 12BH7 等で, GM値が基準以上の球は中古管保管箱へ移動しました. この Junk Box の中の部品は、その存在をほとんど忘れられ、ほこりをかぶり, 場所をとる厄介者として、家族の冷たい視線を浴びています. さすがに,さびの出たソケット類や劣化したであろう抵抗類やコンデンサーは 処分しましたが,どうも真空管だけは捨てるに忍びなく, 今後,決して使うことはないであろうと思っていても, 何時までもJunk Box に居座っています. ネ,皆さんも一緒でしょ! 一般的に,オーディオ用として認知されている球は,好みに合わないとしても, オークションなどで整理することも可能ですが,そうでなければ, 引き取り手を捜すことは至難の業となってしまいます. これらの引き取り手のない,見捨てられた「可哀想な」球や部品については, 当所長の蚤の市にてお譲りしたいと思っています. 何とか、活躍とまではいかなくとも、どこかで働く場所がないものでしょうか. これらのかわいそうな「子」たち,とっても良い子達だと思っているんですが, なにぶん多すぎて,もし,この子達の里親になって頂ける方が現れれば ・・・・.\(^o^)/です. もし,使ってみようと思われたならば,是非連絡を頂きたいと思います. 最後に,この欄が,今後,充実しないように祈るのみです! ただ,貧乏なため,バッタ物の購入はやめることが出来ませんので, おそらく増え続けるのでは無いかと恐れています. \(^o^)/ お嫁に行った子達です. 5763,6WC5A,6RP15,6AU6