安いトランスを使って一番の問題は,容量と周波数特性です.
これは,材料と巻線技術によりますので,ある程度値段を出し(良い材料),
メーカーを選択(巻線技術)する以外には,如何ともしようがありません.
貧乏人は,諦めるほかありませんェ.
また,安い昔のトランスを引っ張り出してきて,再利用しようとすると,
これまた,リーケージフラックスの影響で,「うなり」のなかで音楽を聴く羽目に陥ります.
かといって,大枚叩いて,シールドの施された最新のトランスを買う財力はありません.
さらに、もったいなくて,昔のトランスを捨てるなんてできませんモノ.
このリーケージフラックスの元凶は,勿論電源トランスとチョークコイルです.
しかし,電源トランスは,締め付けボルトを分解しないとシールドを施せません.
全体をシールドすると,ケース入り電源トランスになりますが,
市販の伏型をケースに入れるとバカでかくなってしまいます.
残るは,出力トランスをシールドすることです.
ベークライトのケースへ入れた安物(\1900,6W,60mA)は,ケースへ入れても
たかだか,65mmx65mmx85mm と小さいため(喜ぶべき状態ではありませんが),
これのシールドは楽に出来,且つ費用もかからず,電源トランスだけバカデカとなることにより,
外観上全体のバランスを崩すこともありません.
ではどうやってシールドを施すかです.しかも安く!
昔,45/2A3 共用アンプを,
6J5-6SR7-A393-3657P-2A3(45,71A)-H5S-80
で造ったとき、リーケージフラックスに悩まされました。
周りの人のアドバイスでは、A393(100H10mA) プレートロード・チョークコイルが
怪しいとのことでしたが、調べてみると、3657P が原因で、A393 は全く問題ありませんでした。
どちらもケースに入っていますが、3657P は塗装しただけ、A393 はケースに銅メッキがされています。
これがすべてとは言えませんが、銅メッキはかなり効果が有りそうです。
さすが、タムラ!と感心しているのではなく、これを応用して、
安物トランスにもシールドを施すことにしました。
しかし、ベークライトに銅メッキを施すのは、結構大変です。
無電解メッキ法がありますが、薬剤の入手など、アマチュア向きではありません。
ではどうするかというと、銅箔をベークライトのケース外側に貼り付けます。
内側では貼り付けるのも面倒ですし、剥き出しの端子からの絶縁に問題が生じます。
(実は、トランスをもうケースに入れているためもあります)
できれば接着剤付きの銅箔があれば便利です。
問題は、貼り付ける銅箔の種類と入手方法です。
幅が狭いと貼るのが難しいし、広いとしわが寄り、巧く貼り付けられません。
取り扱いが便利で、効率的なのは、幅 50mm と思います。
シールドやパターン配線が目的の銅箔は、幅 15mm、38mm と 50mm 、長さ 20m で、結構高価です。
接着剤にも電気伝導性を持たせ,ハンダ付けをすることを考慮して耐熱性も良く,
使い勝手はよいようですが、安物トランスのシールドには,
基材がベークライトですから、関係ありません。
で、高価故ボツ!
探してみると、DIY の店にありました。(通販にもあります。当然、切り売りは割高です)
建材・機器の補修用ですが、ニトムズ製で、幅 50mm 、長さ 5m が 1巻 \1480(税込み)です。
通常の接着剤と思いますが、保護紙を剥がせばそのまま貼り付けることが出来ます。
5m あれば、少々失敗して張り直しても十分な量です。5セットくらいは貼れそうです.
銅箔は厚さ 35μm ですから、ハサミやカッターで切断が出来ます。
シールド・配線の専用品と比べると、材質的に多少問題があるかも知れません、
また、銅箔上にハンダ付けをする場合には、温度を上げないようにする必要があるかも知れませんが、
アースに落とすだけですから、難しくはないでしょう。剥がれたら,接着剤で補修です.
単なる電磁シールドですから、必要にして十分な材料でしょう。
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