B級マニアのためのアイデア

古い電解コンデンサーの再生利用




古い電解コンデンサーですが,寿命については,「使用 Parts と Amp の寿命」に書きました.
まぁせいぜい20年が限度,10年以上経っていたら計測をしてから使うことです.

これは安全を考えたら妥当なところではないでしょうか.

じゃお前は古い電解コンデンサーは皆廃棄しているのか,と言われると,実はしていません.
元からの貧乏人根性が染みついています.

さらに,古い電解コンデンサーは昔,苦労をして入手した品が多いのです.
中には,米国在住時に購入して持ち帰った品も結構あります.
Sprague や Mallory など結構思い入れがあるコンデンサーです.
しかも,形状が国産にはない形で,捨てるには忍びない場合がほとんどです.

ではどうするか,やむなく再生を行って使うことになります.
ここで私が行っている再生法はどうしているかを書いておきます.

あくまでも素人が行っていることですので,間違っていることも十分ありますので,
鵜呑みにはしないでください.

古い電解コンデンサーはその構造上どうしても漏れ電流が結構あります.
特に古い米国製は国産と違って結構漏れ電流があります.

テスターで調べると電流が流れる,これは一般的には不良です.
そのままアンプに用いますと,これは結構危険です.
最悪,破裂しないとも限りません,十分にご注意ください.

では,まったく使えないかというと,結構そうでもありませんが,
ひとまずは再生作業を行わなければ成りません.

準備するものは高圧電源と30kΩ以上で20〜30Wの抵抗と接続するクリップ付の電線です.
私は50V〜400VDCの汎用定電圧電源を持っていますが,
なければ既存のアンプの出力管を抜いて,出力管のソケットからUSプラグで取り出せます.
ただし再生できるコンデンサーには制限ができますのでこれもご注意ください.


再生する電解コンデンサーの耐圧,多いのは350V〜450Vでしょう.
まず最初に高圧電源を抵抗を介して繋ぎますが,この時耐圧の1/2強が望ましいです.

最初には,絶対に耐圧ぎりぎりの高電圧をかけてはいけません.

最初に接続すると,結構電流が流れます,電流値は抵抗の両端電圧を測れば解ります.
そして,コンデンサー自体が漏れ電流で発熱をしますので,手で触って確認しなければなりません.

触れる程度,40℃を超えるようなら一旦電源を切って冷却を行います.
これを2〜3度繰り返しますと,ほのかに暖かくなるまでになるはずです.
ここは重要です,ほのかに暖かくなるまで根気よくやらなければ成りません.

ここで再度注意,決して温度が高くなって作業を続けてはいけません,危険です.

ここまでできたら,次は定格電圧(決して超えないように)を印加します,
もちろん抵抗を介してです.

定電圧電源なら電圧を設定できますので便利ですが,既存のアンプを利用する場合は,
電圧にご注意ください.

漏れ電流が流れている間はある意味良いのですが,再生で漏れ電流が無くなると,
印加電圧はかなり上昇します.

特にダイオードで整流をしていますと,トランスの交流電圧x√2と成ります.
出力管の動作電圧など遙かに超えますので,もとのアンプ自体も危険になります.



これで発熱が治まれば使用可能ですが,あくまでも再生品ですから無理は禁物です

特に思い入れがある場合を除けば,やはり電解コンデンサーは新しいものを使う方が無難です.

どうしてもと言う場合には,こうすれば使えます,と言う程度です.
そして,何分素人が経験だけで行っていることですので,
保証はまったくありませんことにご注意ください.

再生品は私の常用アンプで使っていますが,今のところまったく問題は起こっていません.
ただし,運が良いだけかもしれません.







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