回路はいわゆる3ペン型2段アンプで 6J5−6L6−5AR4をペースにして すべて3結で使用し、ベースソケットは USを使い出力トランスもUSソケットで 即装着取替えが出来るようになっている。 無帰還であるがその方が球の素性が よく現れるものと思われる。 球交換のアダプターさえつくっておけば 845や211等の大形管をのぞきほとんど すべての球が装着視聴可能である。 電源トランス 昔、ウイリアムソンタイプのアンプがはやっていた頃 使っていたもので280VX2,120mA,5V3A 6.3V二組という古いものである。 そうレギュレーションのよいものではない。 B電圧の調整は整流管の交換と3KΩ20Wの 抵抗とそれにチョークをパラにつなぐことで 330Vぐらいから180Vぐらいまで調整できる。 電源トランスによる音の違いは大きく 私の電源別のアンプで電源を交換することで 全く別の音になってしまう。 磁束密度のあまり高くない。 レギュレーションのあまり良くないトランスのほうが 私には好ましくきこえる。 整流管もしかりで内部抵抗の大きい球のほうが 音がクリアー繊細でゆったりときこえる。 ドライブ、オペレーションの問題 この電源トランスではB電圧も330V位しか出ず DA30など通常もっと高圧で使用するものでも、 Epは280Vぐらいになり、Rk1kΩでEkは 50mAあまりである。 大変内輪の使い方であるが、それでも 球の素性はうかがい知る事が出来る。 ドライバー管で出力管をフルスイングしているか どうかは問題としない。 おおかたは大丈夫である。 オペレーションはメーカー推奨のものに 必ずしも従う必要はなく、例外的な使い方、 WE86アンプやオルソンアンプなどもある。 出力 数百mWから2−3W.SPの能率92dbで聴取位地はSPから3m。 通常の音量で聴く場合出力不足は感じない。 昔小学校の運動会で10Wほどの42ppのアンプがよく使われていた。 ハム すべて交流点火である。 ハムはスピーカーの前にゆくと確かに出ているが聴取位地で音楽を聴くのに 差し障りのあるもではない。 SP8Ω端子で直熱管の場合通常3−4mVに収まる。 気になれば外部からシャーシ後面のUSソケットを介して直流のヒーター電源 を放り込めばよい。 ハムバランサー つけているが通常中央で固定してある。 歪率 歪率は各球最大出力で2%以内に収まっている。 歪打消しはあえて行っていない。 またこのほうがかえって球の素性がよくわかる。 前段のRkを変えてゆけばある点で歪が激減する点が見つかる。 これでデータとしては満足するが,これが音にどのように現れるかは不明である。 例のすりかえで有名なオルソンアンプの場合もオルソン氏によれば 家庭用アンプとして5Wで2−3%程度の歪率でよいということで設計された。 また5%以内の歪は感知できないとのデータもある。